吉方位の調べ方 移動の方角は生年月日で決めない理由

吉方位は生年月日で決まる。多くのサイトがそう書いています。けれど、引っ越しや旅行で使う「移動の吉方位」に、あなたの生年月日は関係ありません

方角ごとの吉凶は、その時期の暦で全員に共通して決まります。だからサイトによって答えが食い違う。この記事では、一級建築士として土地の鑑定にも立ち会う立場から、移動の吉方位を自分で調べる手順を、無料ツールの使い方まで具体的にまとめました。

天文風水(暦をもとにした風水)の考え方で書いています。占いのように当たり外れを言うのではなく、自然の周期に合わせて自分から動くための道具として読んでください。

※移動の吉方位を含め、住まい全体の整え方と、生まれ持った運の活かし方は、無料メール講座でも順を追ってお伝えしています。あわせてどうぞ。

吉方位とは。移動で運気を後押しする方角のこと

吉方位とは、その時期にエネルギーが高まっている方角のことです。反対に、気が乱れて動きにくい方角を凶方位と呼びます。旅行や引っ越しでその方角へ体を運ぶと、運の流れを後押しできる。これが天文風水の考え方です。

占いとは少し立ち位置が違います。

風水には、間取りや地形を見る地理風水と、暦を見る天文風水の二本柱があります。吉方位は後者。目に見えない天の周期を読み、良いタイミングと方角で動くことで結果を引き寄せます。当たるかどうかを占うのではなく、自分から動いて運を動かす技術だと捉えてください。

もう一つ、最初に押さえておきたいことがあります。吉凶は「何をするか」で変わります

「とにかく良い方角を教えて」という問いに、風水は答えようがありません。何をするかが決まってはじめて、その方角が吉か凶かを判断できるからです。

引っ越しと旅行はどちらも「移動」なので、同じ吉方位を使います。土地を求めたり土を動かしたりする建築・造成や、模様替えは、移動とは別になります。

【鑑定現場から】

私自身、設計事務所を経営していたころ、社員全員で数ヶ月に一度は吉方位への日帰り温泉旅行を企画し、年に一度は泊まりがけでも出かけていました。吉方位の温泉に行くと決まって仕事が忙しくなり、スタッフから「これ以上忙しくなると困るから、温泉に行きたくない」と言われるほど、順調に仕事が入ってきていました。


*上は今月の方位盤です(毎月、節入りで自動的に切り替わります)。色が吉凶をあらわします(濃い青=吉/水色=小吉/緑=普通/ピンク=小凶/赤=凶。外周の帯は年の吉凶)。▼や●のついた方位は、移動で避けたい方角です。

吉方位の調べ方。3ステップで自分で出せる

調べ方は3つの手順に分かれます。中心を決める。磁北で方角を取る。その時期の吉方位を確認する。この順番で進めれば、特別な道具がなくても自分で出せます。

順に見ていきます。

まず「中心」を決める。基準は自宅

方角は必ず基準点から測ります。移動の吉方位を見るときの中心は、あなたの自宅です。

会社を起点にするなら会社が中心になりますが、引っ越しや旅行の方位を見る場面では自宅で問題ありません。家族で使う場合も、全員が同じ自宅から見た方角を使います。人によって中心を変えると、家族の行き先がバラバラになってしまうからです。

磁北で測る。真北ではない

方角は磁北(じほく。方位磁石が指す北)で取ります。地図の北、いわゆる真北ではありません

日本では、真北と磁北が約7度ずれています。磁北は真北より西へ約7度傾いている。この差を偏角(へんかく)と呼びます。

たった7度と思うかもしれません。ですが風水は方角を15度ずつで一区分に切ります。7度はその半分近く。地図の北のまま測ると、隣の区分を吉方位と勘違いしかねない大きさです。遠方へ行くほど、このズレが行き先の判定を左右します。アプリ任せで済ませると抜け落ちやすい落とし穴です。

【鑑定現場から】

現場でよくある間違いが、家の中で方位を測ってしまうことです。方位は屋外で測ります。しかも都会では、周りのビルなどの影響が大きいので、一箇所だけで決めず、何箇所かで測って確かめるのがコツです。目に見えない地下に、磁場を狂わせるものがあることもあります。たとえばコインパーキングは、下に機械が埋まっていて方位が大きくずれてしまうことがあります。

無料ツール「あちこち方位」で確認する

自分で計算しなくても、無料の地図サイトで自宅からの方角を確認できます。知人のH200さんが制作した「あちこち方位」というサイトが使いやすく、当協会でもおすすめしています。PC版(https://h200.com/houi1/)とスマホ版(https://h200.com/houi2/)があり、使い方はYouTubeでも解説されています。

手順はシンプルです。

  • 1. 「あちこち方位」を開く
  • 2. 地図で自宅に印を合わせ「自宅に設定」を押す
  • 3. 「偏角を考慮」にチェックを入れる
  • 4. 色分けで吉方位と凶方位を確認する

一番のポイントは3番目です。「偏角を考慮」にチェックを入れると、先ほどの約7度のズレを自動で磁北に補正してくれます。

風水は八方位を45度ずつに割り、それをさらに3分割して24方位を作ります。同じ「北」でも壬・子・癸と細かく分かれ、方角の精度が上がります。

移動の吉方位は生年月日で決めない。だから答えが食い違う

ここで、多くのサイトとの違いに触れておきます。

一般的な吉方位の記事の多くは、九星気学(きゅうせいきがく)の考え方で書かれています。生年月日から本命星を割り出し、その人専用の吉方位を出すやり方です。サイトごとに答えが食い違うのは、個人の生年月日から出すか、その時期の暦で全員共通に見るか、という見方が異なるためです。

天文風水では、移動の吉方位は生年月日で出しません。その時期の年盤・月盤(年ごと・月ごとの方位の配置図)でみれば、方角の吉凶は全員に共通して決まります。

どちらが正しい、という話ではありません。何を基準に置くかの違いです。ただ、その時期に全員共通で決まる天文風水の考え方は、家族での引っ越しに向いています。九星気学だと、家族は同じ家へいっしょに移るのに、一人ひとりの良い方角がバラバラに出てしまい、全員にとって良い一つの方角を選べません。天文風水なら、方角の吉凶はその時期に全員共通なので、家族が同じ答えを使えます。

「家の中の方角」とは別の話

もう一点、混同しやすいので線を引いておきます。

この記事で扱う吉方位は、引っ越しや旅行という「移動」の方角です。玄関やキッチンがどの方角にあるかという「家の中の配置」は、家相ときどり図で見る別のテーマになります。家の中の方角については別記事で解説しているので、そちらを参照してください。

なお、移動の吉方位に生年月日は使いませんが、家の中で寝る向きや部屋の使い方を家族に合わせるときには、その人の生年月日を見ます。土地との相性や移動の方位に、生年月日は使いません。

無料ツール「あちこち方位」で自宅から24方位を表示した画面

*「あちこち方位」で自宅を中心に24方位を表示した画面です。「偏角を考慮」にチェックを入れると、磁北のズレ(この例では西へ約6.8度)を自動で補正してくれます。

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吉方位を調べた後にすること。有気取りで気を受け取る

調べた吉方位は、そこへ実際に体を運んで使います。これを有気取り(ゆうきどり)といいます。引っ越しでも旅行でも、良い方角へ動いて、その方角の高まった気を受け取る。これが吉方位の使い方です。

有気取りで行き先に温泉を選ぶことが多いのは、温泉に五行のバランスを整える働きがあるからです。温泉がない方角なら、神社への参拝でもかまいません。大切なのは、その吉方位へ体を運ぶことです

神社での作法には、一つ勘所があります。

願い事を並べる場ではなく、決意を告げる場だと考えてください。「叶えてください」ではなく「こうしていきたいので見守ってください」と伝える。お願い事は、日ごろ通っている縁のある神社で、ここぞという時だけにする。有気取りの神社は、気を受けに行く場所です。

効果が出るまでの時間も知っておくと動きやすくなります。

月の方位の作用は、動いてから3〜5ヶ月後に表れます。数ヶ月で実感できるので、「あの旅行のおかげかもしれない」と後から振り返れます。

とはいえ、効果が大きいのは年の方位です。こちらは3年後以降に出ます。すぐに実感できるのは月の方位ですが、長い目で見るなら、年の吉方位をしっかり考えながら方角を選んでいきましょう。

木漏れ日の差す神社の参道(有気取りのイメージ)

方角が決まったら、次は日取りです。土用の期間にあたっても、間日を使えば動けます。

引っ越し・旅行での吉方位の活かし方

引っ越し先は、方角より「自分にとって都合の良い場所か」を先に考えて構いません。方位が悪ければ後から対策できます。方角を理由に住まいの選択肢を狭める方が、機会の損失になります。

そしてもう一つ大事なことがあります。引っ越しでは、土地のエネルギー(地理風水)の影響を、住んでいる間ずっと受け続けます。だから土地選びのほうが重要で、方角はその次です。風水は天文(暦・方位)と地理(土地・地形)の二本柱ですが、長く住む場所ほど地理が大きく効くからです。

【鑑定現場から】

以前、方位が悪いからと、わざわざ通勤に一時間以上かかる場所へ引っ越そうとしていたお客様がいました。それでは、たとえ方位が良くても、毎日の生活の負担が大きすぎます。私は「やめたほうがいい」とお伝えしました。方位を第一に考えすぎると、その先の暮らしのほうがおかしくなってしまう。だからこそ、優先順位をしっかりつけることが大事です。結局そのお客様は、ご主人の通勤がよく、土地や雰囲気の良い場所を選んで引っ越されました。

引っ越しの方位には、知っておくと得をするルールがあります。

方位が決まる基準は、荷物を運び込んだ日ではありません。最初に新居で寝た日、つまり「前日どこで寝たか から 新居へ」の移動で決まります。引っ越しとは、寝る場所の移動だと捉えてください。この考え方が、次に説明する凶方位の対策につながります。

旅行も、行き先を吉方位から選びます。

このとき、月の方位盤だけで決めないでください。月が吉でも、年の方位盤で凶になっている方角は使えません。年の凶は3年ほどのスパンで効くため、月の吉では相殺できないからです。年と月、どちらでも悪くない方角を選ぶ。これが基本です。

引っ越しの方位は「前日に寝た場所から新居への移動」で決まることを示す図

💡 凶方位しか選べない時期こそ、打ち手を知っているかどうかで差がつきます。

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凶方位でも動ける。方違えと有気取り

凶方位は、避けるものではなく対策するものです。行き先や時期が凶でも、動く前後で手を打てば作用を弱められます。「ダメだからやめる」ではなく「こうすれば動ける」と考えてください。

代表的な方法が方違え(かたたがえ)です。

引っ越しの方角が悪いとき、前日に吉方位の場所へ一泊してから新居に入ります。すると移動が「吉方位 から 新居へ」に変わり、凶の作用を弱められます。三泊ならなお良いものの、一泊で足ります。どうしても泊まれないなら、吉方位の場所に最低2時間ほど滞在するだけでも効果はあります(効果は弱まります)。

引っ越した後からでも間に合います。

新居に移ってから吉方位の温泉へ行けば、有気取りで凶方位の作用を相殺できます。

リフォームや模様替えにも対策があります。

部屋全体に及ぶリフォームは、全部を吉方位の時期に合わせるのが難しく、良い時期を待つと永遠にできません。そこで、良い方位から着手します。できれば時計回りに進め、良い方位で始めて、良い方位で終える。悪い方位はその間に挟みます。

【鑑定現場から】

お子さんが大学に合格し、寮に入るという方から相談を受けたことがあります。ほかで「その方位は良くない。息子さんが大変な目に遭うからやめなさい」と言われ、やっと目標の大学に受かったのにどうすればいいか、と困っていらっしゃいました。私はその方に方違えのやり方をお伝えし、引っ越していただきました。息子さんは今では社会人になり、頑張って働いていらっしゃいます。

方違えの手順。前日に吉方位の宿へ一泊し、翌日に新居へ入る2ステップの図

吉方位のよくある質問

年の吉方位と月の吉方位、どちらを優先しますか

年と月、両方を見ます。まず年盤で吉方位を確かめ、その中で月盤の良い時期を選びます。年が凶の方角は、月が吉でも避けるか、方違えなどの対策をとります。効果が大きいのは年の方位で、作用は3年後以降に出ます。

吉方位はどれくらいの距離や日数で効果が出ますか

距離や宿泊数で効果が変わるという説明もありますが、天文風水では時期を重視します。月の方位の作用は移動から3〜5ヶ月後に表れます。近場の日帰りでも移動と滞在で気は受けられます。まず動くこと。距離の大小より、吉方位へ体を運んだ事実が起点になります。

凶方位へ行ってしまった場合はどうすればいいですか

後追いで対策できます。吉方位の温泉へ出かける有気取りで、凶の作用を相殺してください。温泉がなければ神社参拝でも代わりになります。

吉方位へ行ったのに効果を感じません

風水は、一度の移動や一つの方角だけで結果が決まるものではありません。吉方位への有気取りは、続けることで貯金のように積み重なっていきます。一回で判断せず、できていることを重ねていくと考えてください。とくに効果が大きい年の方位は、出るまでに3年ほどかかります。すぐの結果を求めず、長い目で見るのがコツです。

吉方位はどこを中心に測りますか

自宅が中心です。移動の吉方位は、自宅を基準に磁北で方角を取ります。家族で使うときも全員が同じ自宅から見た方角を使ってください。

引っ越しの吉方位は生年月日で決まりますか

移動の吉方位は生年月日では決めません。その時期の年盤・月盤でみれば全員共通に決まります。生年月日を見るのは、家の中で寝る向きや部屋の使い方を家族に合わせるときです。土地との相性や移動の方位には使いません。

1月は引っ越さない方がいいと聞きました

昔から「1月に引っ越すと変なことが起きやすい」と言われてきました。この言い伝えには、暦のうえの理由があります。

風水で年が切り替わるのは立春(2月4日ごろ)です。ところが、方位の吉凶を左右する九星(五黄など)だけは、約1ヶ月早い小寒(1月5日ごろ)で先に翌年の配置へ動きます。そのため1月上旬から立春までは、その月だけ年の方位盤が入れ替わった特殊な期間になります。

この先行切り替えを知らずに「1年を通して同じ方位盤」で判断すると、1月だけ結果がずれます。切り替わりを知らない人の助言どおりに動いて、思った効果が出なかった。それが「1月は引っ越すな」の正体です。

当協会の暦は、この1月だけ九星を先に動かして方位盤を組み直しています。仕組みを踏まえて五黄の方角を避ければ、1月の引っ越しや移動もまったく問題ありません。

まとめ

移動の吉方位は、生年月日ではなく、その時期の暦で全員共通に決まります。調べ方は、自宅を中心に、磁北で方角を取り、無料ツールで今月の吉凶を見る。この3ステップです。

方位が悪くても動けます。前日に吉方位へ一泊する方違え、引っ越し後の有気取り。手を打てば凶の作用は弱まります。方角を理由に選択肢を狭める必要はありません。

毎月の吉方位は、その月の節入りで切り替わります。当協会の「吉方位風水カレンダー」なら、今月の方位盤を見て吉方位をすぐ確認できます。次の旅行や引っ越しの方角選びに使ってください。

▶ 今月の吉方位を方位盤で見る 吉方位風水カレンダー

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当協会代表 かおる(一級建築士・風水設計士)が、23年の実務経験をもとに、3つの視点でお届けする無料のメール講座です。

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